◎歯の構造について

歯の構造について考えたことはありますでしょうか?冷たいものが染みたり、虫歯によって痛みが出ることからわかるように、「歯」というものは器官であり、神経と繋がっています。
おおまかに分けると歯は三層の構造をしており、表面のエナメル層・中間の象牙質(ぞうげしつ)の層・歯髄(神経と血管)の層があります。
虫歯は表面の層から進行していくので、表面だけの虫歯は痛みが出ないので気づかない場合があります。これが象牙質を経て歯髄の層まで虫歯が進むと、しみたり痛みがでたりします。ここで大抵の人は「自分は虫歯なんだ」と気づかれて歯医者を受診される場合が多いのですが、神経まで虫歯が到達してしまった場合、歯の神経を抜くことも考えなければなりません。
◎歯の神経を取ったらどうなるか?

歯髄(神経と血管)の治療を行うと歯がもろくなってしまいます。諸説ありますが、歯質を削れば削るほど、歯の耐久力は弱くなります。そのため、神経を取った歯は大きく歯質を失うため、脆くなってしまいます。木の枝に例えると、木から伸びる生きた枝はしなりがあり強いですが、枯れてしまうと簡単に折れてしまうように、歯も抜髄を行うと寿命が一気に短くなります。
科学的根拠からも明らかで、歯髄の処置がされた歯は処置されていない歯に比べると、歯を失ってしまうリスクが約7倍高いということが研究で明らかにされています。
だからこそ、自分の大切な歯を残すためには歯髄を可能な限り残す治療が望ましいと言えます。
◎MTAセメントによる歯髄温存療法

これまでは虫歯が少しでも神経に達してしまうと、抜髄(歯の神経と血管をとる処置)をして、歯の根っこに詰め物をした後大きな被せ物をするしか選択肢はありませんでした。そんな中、なんとか歯の寿命を伸ばしたい・歯髄を残したいというたくさんの方の願いが実現されつつあるのが、MTAセメントによる歯髄温存療法です。
虫歯を完全にとりきった後、歯髄の層の表面にMTAセメントと呼ばれる特殊な詰め物で蓋をして、最終的にきれいな被せ物を行って治療終了となります。
歯の神経の治療を回避できるので治療回数も格段に減りますし、神経を温存することもできる画期的な治療法です。
歯髄温存療法のメリットについて
- 治療回数を減らせる
- 歯を削る量を抑えられる
- 歯の寿命を伸ばせる
歯髄温存療法のデメリットについて
MTAは全ての症状に対応できるわけではなく、適応できるかどうかも実際に虫歯部分を見てみないと判断ができないため、患者様の要望通りにできない場合があります。また、自由診療になりますので治療費が高くなり、MTA治療の他にも詰め物・被せ物の費用も必要になります。
また、稀にですがMTAを使った治療が一旦うまくいったとしても、場合によっては数ヶ月後・数年後に治療した歯が失活する場合があります。
